ナノ電気化学セル顕微鏡を用いた次世代エネルギー材料の評価

● 末永智一 教授、熊谷明哉 助教

我々の研究室では、主にナノピペットを利用した電気化学顕微鏡を開発しております。近年、我々は電解液と参照極を充填したナノピペットと測定試料の間にメニスカスを形成し、このメニスカスを微小電気化学セルとして用いることで、マイクロ・ナノメートルスケールで起こる電気化学反応を評価・イメージングが可能な"ナノ電気化学セル顕微鏡"を開発しました。

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一般的な電気化学測定では、試料全体から電気化学反応に起因する特性を評価しますが、この顕微鏡を用いると、リチウムイオン電池を始めとした二次電池用の電極表面でのイオンの可逆的なやり取りや水素発生電極などの電極触媒反応をナノスケール電気化学イメージングとして可視化できます。この技術を応用することで、二次電池の複雑なイオン伝導経路の特定やナノ材料のエッジなどの表面構造や欠陥、電極内の粒界などを要因ごとに切り分けて定量的な議論が可能となりました。ナノ電気化学セル顕微鏡で得られた知見から、材料特性のポテンシャルを最大限に引き出せるような材料設計の指針を示し、将来の高機能性電極の開発に貢献します。

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